ふわふわのお抹茶を点てて貰い、喫茶店で休憩。
心地良いサックスの生演奏。明るく柔らかいショッピングモールの午後。
友人はフリーゲームを差し出してくれた。すごく面白い。
私が真似してダウンロードしようとしたら、体験版DL期間終わってた。ぐぬぬ。
その気になって100均お抹茶購入。ざっくり点てよう。おさらいにもなってないけど。
和菓子屋の大叔母が昔、笑顔でこんな事を言っていた。
『茶道は先に進む程、厳しかったわ。だから貴方は、今の内に恥をかきなさい』
書道師範の祖父は昔、優しい表情でこんな事を言っていた。
『書道を習いたいだって? とんでもない。あんな辛い事をお前はやっちゃ駄目だ』
なんと言う事でしょう。目前のジェダイ・マスターに「こいつは駄目だ」と即断されていた。
こくごさんすうりかしゃかいえいごおんがくたいいくどうとくずがこうさく。
全部似たような事言われた。もう駄目だ。
友人はきちんと点てる人。美麗なお母様が茶道と華道の先生。しかし。
「習うと怖いわよ?」と友人に言われ、私は泣いて諦めた。ぐぬぬ。
器はお気に入り。穏やかな陶芸教室の人達が、書道の先生曰く「確実に赤字」で投げ売りする。
丁寧に型を付けた桜の刻印。夜空に似た黒釉星。照り映える飴釉。世界にたった一つの器達。
そんな訳で、バザーが地味に戦場と化す。出遅れると茶碗は売り切れ。皆狙っていた。
なお、書道の先生は猫友達。猫の話しかしない模様。またジェダイ・マスターに習いそびれた。
友人の庭は夢の様に美しい。芝は密に生え揃い、薫り高い薔薇が咲く。
常にさっぱりと剪定された木々は、形を崩した事も無い。
室内は生きた薔薇の香りに満ちている。芳香剤ではなく。全く芳香剤ではなく! 凄すぎた。
友人の家はまるで新築のよう。物置すら常に整頓されている。「あわわわ! ゲームむずい! 何これ超面白い!」
「解けたら教えてね」
ひいい。友人は、ご両親に大切にされている。あの美しい芝でバトミントンも出来る。
綺麗な海外の絨毯で、ころりと転がってゲームする事も出来る。もちろん友人が転がる。
身近にある憧れの邸宅。マンションも、世帯が変われば匂いも変わる。
インテリア雑誌に載った「長屋」もあった。清潔なレトロ空間。
貧乏神は荒れた家に憑く。が、大事にすると福の神。とも言う。
実は。グリーンゲイブルズもそうで、モンゴメリさんの従姉妹さんの家。
つまりダイアナの家とでも言うか。憧れの家を舞台にしたそうな。
フィクションの中のリアル。そう言えば、大草原の小さな家は。
間取りを見るとなんと実質二部屋。台所と居間を暖炉で仕切っている。
そして夫婦と赤ちゃんの部屋。だから子供部屋は屋根裏。部屋とカウントするべきか。
つまり基本的な間取りは、ハイジのおんじの家と大差ない。どちらもほのぼのしてる。
そのローラが出版社さんと喧嘩した話があるけれど。これ、実は愛娘ローズちゃんが相手。
都会の売れっ子作家になったローズちゃんと、素朴な農家のお母さんローラさん。
売れるノウハウを持つローズちゃん。自伝に脚色は不要と判断したローラさん。
正直ローズ大先生の教室に行きた、もとい。フィクションとノンフィクションの喧嘩。
もちろんローズちゃんの「大草原物語」も売れたし、ローズちゃんが作家で無かったら。
インガルス家の物語は、日も当たらずに埋もれてしまっただろう。
ただ。「大草原物語」は米開拓農家からすると適当らしい。取材はしたと思うけど。
「大草原の小さな家」は、農婦当人の記録。生真面目に綴ったから今も人気がある。
これは噛み合わない。それで喧嘩になった模様。編集さんは、とばっちりだった。
TVドラマ版しか知らない惨状。だけど、ローズさんもローラさんも間違ってない。
脳内をTVドラマの再々々々々々放送で一杯にしていたら、友人が声を掛けてきた。
「演奏、再演するみたいよ」
「どこまでもついて行きます。行くのです」
友人の華麗な庭で育った、梅を貰った事がある。お店で買ったら数千円クラスの家庭菜園果実。
その住宅街は、かつて森だった場所。お店も無く、移動販売車が村人の頼り。
温厚な村の人々は畑をずっと育てていた。周囲には深く広大な森。ほんの半世紀前の話。
それが豊かな菜園として蘇り、優しい花々に彩られている。
かつての村周辺は、懐かしい情景を残す。今も、こんこんと清水の湧く場所があるらしい。
これは都会にもある。等々力渓谷とビル街。過去の風景は、今も生きている。
いずれ友人の庭に、また薔薇が咲くだろう。薔薇が散る頃、別の花が咲き揃う。
花々は端正な庭で、繰り返し繰り返し息づいている。

写真素材足成:バラ23
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