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SUGAR RANCH

のんびりゲームをしています

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大掃除

 インテリア雑誌を読んだ後は鼻息も荒い。大掃除は毎年戦場だ。 
ゴミ袋に詰まった紙屑。紐で括られた雑誌。売れそうな古着は二束三文で売った。 
部屋がすっきりしてきた。おし。こいつを一気に物置に押し込む。 
何だこりゃいつの新聞だよ……読みふけってしまった。こんな所にトラップが。 

 はて、このダンボールは何だろう。セミの抜け殻? ポケモンカード? 
いらんいらん、こんなもんは捨てる。人間、トランク一つで生きていける。 
「……うぐ」 
「えっ、えぐっ」 
「ううう」 
なんだ? 自分の物を捨てるのに、自分が納得してない。つーかキモい。いや、俺が。 
どんなモノだったのか、何があったのか覚えてない。こんな子供のモノに何の価値が?  

 ファーストテディは捨てないんだっけか。爺さんが、禿げたヌイグルミ額に飾るんだよな。 
セミの抜け殻ぐらい、部屋に押し込むスペースはあるだろう。 


写真素材足成:少年とアスレチック
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コタツの上の空想世界

 巨大な天球儀を前に、俯く精霊。天窓から差し込む光が暖かい。 
あどけない精霊の詠唱が、古城に広がってゆく。 

 あー、こんな綺麗な部屋行った事もありませんよ。 
漫画とゲームの詰まったカラーボックスに囲まれてますよ。 
コタツの上で、兄ちゃんのノートパソコンにフリー3Dソフト突っ込んで、 
これまたフリーソフトでレンダリング中ですよ。泣きながら。 
精霊も剣もモザイクみたいですよ。いつになったら画像になりますかコレ。 
Vistaってなんすか。絶対動きませんから。 
なんかもう部屋で息が白いですよ。ここは南極基地ですか? 



小さなホームプラネタリウム

 トラックの振動に揺れるブラインド。道路際の部屋はいつもこう。 
ベンジャミナに埃が溜まってる。水シャワーかけようかなあ。だけど掃除は苦手。 
 お風呂のお湯を貯めながら、ドライバーを用意する。 
学研のふろくを組み立てるのは、何年ぶりだろう。配線がややこしいよもう。 
そうして、細かいゴミが散乱。小さなホームプラネタリウムがぐちゃぐちゃに完成。 
電車から流星雨を見て、なんとなく組み立てた。BGMかけようかな。演歌が好きなんだ。 
 灯を消してみる。 
 小さなソファも、服だらけのベッドも、シェルフにはめ込んだTVも、壁にかかったコートも。 
全てが星空に変わる。天満つる星を見たことがない。でも、きっとこんな感じだ。 
100円ヘッドホンと床に転がるビール缶が、星に照らされて。歌は、耳を愛撫する。 
とろけるような恋の歌が。暖かな星の光に包ま……あれ? 
  
 する。なんかちょっとヤバイ音がお風呂場からする。ああああ! お湯がー! 


写真素材足成:キーボードとヘッドホン

0歳の記憶

 ぺたりと目に張り付いた風景。 

 茶色の扉。ワンルームの小さなキッチン。コンロの上のヤカン。小さな窓。 
茶色の棚と、蛇口。銀色のシンク。茶色い食器棚。 
木の窓枠。やや大きな窓を挟んでタンス。青みがかったカーテン。 
黒い小ぶりな本棚。その前に置かれた桃色のおもちゃ。 
押入れ。赤い敷物の載った小麦色の畳。白い壁。木の天井。 

 見えてはいるが視界は低く狭い。段々はっきり見えてくるのが、嬉しかった。 
あくびをする自分の口元に、母がポンポンと手を当てる。 
父に抱えられ、一気に広がる街の景色。自分はきゃっきゃと笑っている。 

 空になった押入れ。家具はもう無い。 
もう少し広い場所に越したので、その部屋にいた時間は短かった。 
自分はじっと見ている。写真のように張り付いた、けれど写真には残ってない風景を。 

 今は無いアパート。0歳の記憶。 


写真素材足成:父と子と

夢のお城と故郷の家

 設えは大理石。ゆるやかな弧を描く階段を下りると、踏む度に床板が青い光を放つ。 
普段は子供や物静かな大人で溢れるロビーに、フラッシュの閃光。 
巨大な恐竜の化石。その前を行き交うモデル達。博物館の中で、ショーが始まる。 

 それを日に焼けた畳の前で見てたら、かーちゃんが「蚊帳吊ったから寝っぺ」と言う。 
同じ蚊帳でも、オーガンジーのベールならお姫様みたいになれるのに。 
未だに回すチャンネルのTVを消すと、外から蛙の合唱が聞こえた。 
 私は弟や妹の間で横になり、「博物館は、お城みたいでいいな」と呟く。 
「ほいだらはあ、明日お城見に行くべなあ。ほれ、山向こうのよ」 
かーちゃん、そうじゃないよ。 
「んでもよ。夏休みでねえと、おめえいねえしよ」 
ひいじいちゃんがそう訴えるので。皆でお城に行く事になった。石垣しかないけど。 

 枕を並べ、私達は休んでいる。 
昭和よりも古い匂い。今世紀生まれの妹からしたら、私も前世紀生まれだ。 
その妹が花茣蓙の上でうなされているので、布団の上に戻す。 
塞がれた囲炉裏。蚊遣が、ピカチュウシールを貼った船箪笥の横で光ってる。 
灯篭の青い灯に、柱時計の音が重なって。干された布団が心地いい。 
 ウチに自分の部屋はない。皆の場所が私達の部屋。 
学校の寮は個室だから。私は早く大人になって、一人で暮らすようになる。きっと。 

 ――ここはお城じゃないけれど。 
煤で黒光りする梁を見てると、RPGみたいでかっこいいと思うんだ。 


写真素材足成:Ashigawa

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