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SUGAR RANCH

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夢のお城と故郷の家

 設えは大理石。ゆるやかな弧を描く階段を下りると、踏む度に床板が青い光を放つ。 
普段は子供や物静かな大人で溢れるロビーに、フラッシュの閃光。 
巨大な恐竜の化石。その前を行き交うモデル達。博物館の中で、ショーが始まる。 

 それを日に焼けた畳の前で見てたら、かーちゃんが「蚊帳吊ったから寝っぺ」と言う。 
同じ蚊帳でも、オーガンジーのベールならお姫様みたいになれるのに。 
未だに回すチャンネルのTVを消すと、外から蛙の合唱が聞こえた。 
 私は弟や妹の間で横になり、「博物館は、お城みたいでいいな」と呟く。 
「ほいだらはあ、明日お城見に行くべなあ。ほれ、山向こうのよ」 
かーちゃん、そうじゃないよ。 
「んでもよ。夏休みでねえと、おめえいねえしよ」 
ひいじいちゃんがそう訴えるので。皆でお城に行く事になった。石垣しかないけど。 

 枕を並べ、私達は休んでいる。 
昭和よりも古い匂い。今世紀生まれの妹からしたら、私も前世紀生まれだ。 
その妹が花茣蓙の上でうなされているので、布団の上に戻す。 
塞がれた囲炉裏。蚊遣が、ピカチュウシールを貼った船箪笥の横で光ってる。 
灯篭の青い灯に、柱時計の音が重なって。干された布団が心地いい。 
 ウチに自分の部屋はない。皆の場所が私達の部屋。 
学校の寮は個室だから。私は早く大人になって、一人で暮らすようになる。きっと。 

 ――ここはお城じゃないけれど。 
煤で黒光りする梁を見てると、RPGみたいでかっこいいと思うんだ。 


写真素材足成:Ashigawa
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