ふと思い出した、家族ドライブで向かった小さな釣堀。
綺麗な森の奥にあり、山から湧いた清水がさらさらと流れ込む。
他のお客さんも居ない。人気は有るので雑誌に載ったりはしてるようだが。
それすらも。普通お店が記事を壁に貼ったりするんだが。この懐かしい感じの釣堀は無い。
「これ、お店のお爺ちゃんとお婆ちゃんが趣味でやってますよね?」みたいな。綺麗な釣堀。
虹鱒は大人しく人懐こく。借りた竿は浮きの位置も良く。
うどんでバカスカ釣れた。一人当たり10匹位かな。
――こんなに釣れるものだっけ、虹鱒。自分の知ってる虹鱒は。
イクラでも釣れない、やさぐれた奴だった筈――
衝撃を覚えた。なんて言うか。この虹鱒達は可愛がられてる気配しかなかった。
母は、生きた虹鱒を捌くと泣いてしまうので、釣りに参加はせず。
さらさらと風と光を受ける竹林の横で、のんびりベンチに座って家族を見ていた。
母は釣らず、自分は釣りが非常に下手。本当に下手。
母は娘の自分が釣る事に、何も反対しなかった。ただニコニコしていた。
そして釣れた虹鱒は、お爺ちゃんとお婆ちゃんが焼いて定食にしてくれる。
懐かしくて気持ち良い店内。香ばしい匂いにお腹が鳴った。
とても美味しくて、虹鱒は頭から食べられた。お味噌汁も、滋味に溢れた良いお味。
ご飯も艶々のピッカピカ。これ込みで一人1000円位。

写真素材足成:昇仙峡:渓谷(サカタノタネ様)
――そんなバカな。自分の知ってる釣堀は一匹捌くのに500円とかで。
おかしい。この釣堀には、恒例の蛍光色の幟とPOPが無い。
お土産コーナーが何処だ。髑髏の目が光るキーホルダーが居ないぞ。
饅頭も無い。ビキニのお姉ちゃんがビール持ったポスターも無い。そんな。
海外にもあると言われる、かの顔ハメ看板が無い。顔つき怪しいコイン式電動遊具も無い。
今はコイン式電動遊具も、似てるスプリング遊具も綺麗な顔してる。そんな。
あのホラあれだ。創英角ポップ体+ワードアートみたいな原色バーベキューの表示が。無い。
切り株みたいに塗られた、コンクリートだかプラスチックだかの椅子が無い。
プールみたいなアクリルの塀が無い。金網のフェンス何処だ。あるのは竹垣とかだ。
そう言えば堀の縁が。木だ。え? コンクリートじゃないって、あれあれあれ??
しかも藻が居ない。清水しかない。虹鱒が全力で透けて見える……だと!?
よくおる兎は何処なんだ。謎テーマパークな珍スポットでパラダイス系じゃない……だと!?――
郊外にはよくあるありがち巨大謎珍スポット。無論愉しい。変なものがあったら歓喜。
ご近所の方が、様々な公園遊具を設置していた事がある。
近隣の子供達は目を輝かせて遊んだ。叱られなかったからそれで良いらしい。お孫さん用かもしれない。
個人の敷地ゆえ瞬く間に草ぼうぼうになった。葛の絡みつくジャングルジム。これがジャングルだったのか。
どっちにしろ、補修や塗り替えは要る。だから歯医者さんや診療所さんは外壁にタイルを張っていた。
無論高いけど、塗り替えじゃなく洗浄で済むからそうする。お金持ちめ。でも維持管理ってこう言うことだ。
だから最近はサイコでカオスな方向より、公園+瀟洒なテーマパーク。みたいになってる。
なんだか垢抜けて綺麗になった。それはそれで面白いし、のんびりするのに丁度良い。
今は室内型遊具の設置された場所が、スーパーにもあったり。結構な事です。
あれいいよね。しかし自分は大きなお友達の年だ。横のゲーセンに行こう。
無論珍スポットさんは、大都会だろうと秘境だろうと、自然発生するけど消えがち。
うたかたの宴ような、盛り沢山の極彩色の園。見物客さんはちゃんと来るのに。
入場料は普通にある。何が駄目か。「維持管理費」。マジでこれ。建てるより高くつく。
じゃあ。なんだろうこの。静謐であるとか閑寂さであるとかの、べらぼうに素晴らしい空間は。
その気なら「わさび」が育つであろう、侘・寂に満ち満ちた釣堀。渓流のせせらぎが聞こえた。
佇まいが落ち着いている、お店のお爺ちゃんとお婆ちゃんの場所。
維持管理を考えると、小さい方が良いとかなんとか。喫茶店の法則だっけ。
レトロなのは良いんだ。そう言うのは愛される。昔ながらの場所が綺麗だった法則。
じゃあわたくしが激しく愛する、チンケでジャンクで胡散臭い場所は一体。いやげ物さん大好きだ。
渓流に放流する釣り場とも違う、普通の初心者向け釣堀なのだけれど。
清水の釣堀とレトロなお店は。森の風景と調和し、とても美しい。
木製サッシに古びて凝った木のお店だったと思う。
広告の「隠れ家のような宿」さんがたぶん、一番近いだろう。

写真素材足成:清流(サカタノタネ様)
似た雰囲気の、手頃でごはんも付くような海辺の民宿さん、は……。
さらっとお刺身と団平キサゴやバテイラの塩茹で等が付いてくる、あの至福の空間、は。
当然あるけど「旅館」の方だった。お値段は同様に手頃。そしてお刺身がセット。逆にすげえ。
ふ、普通ペンションとか言うのでは。と思ったら板前様がいらした。旅館様すげえ。
トコブシにホンビノスにホタテの稚貝に……涎しか出ない。ヒオウギ貝もお手頃。
あんな綺麗な貝食べていいのか。しかも美味しいのか。貝殻を飾る予感しか無い。

写真素材足成:海(碧様)
ググッたら素敵な鉱泉宿も健在のようだ。懐かしい雰囲気の建物最高過ぎる。
「温泉じゃなく鉱泉だから」木造モルタル風もプレハブ風もある。もうたまらん!!111
特に安い鉱泉は民宿と考えた方が早い。おうちのお風呂が鉱泉とは羨ましい。
民宿さんの魅力は家族3人「で」一泊5000円とかで、朝夕付き。だから数日逗留したり。
あえて言うと、ドコモダケじゃない電波がどうだろう。あと、完全によそ様のおうちです。
違う鉱泉でもビジネスホテル位。温泉風浴場堪能出来る。ホテルはWi-Fiは大体大丈夫。
ただしすっごく鄙びてたら分からない。その代わり安いんじゃないかな。
しかし。インターネッツとちょっと離れても良くないだろうか。気のせいだろうか。
「SNSに画像UPしてないで、お友達と食事を楽しんで」みたいな広告がありました。分かる気がする。
ミニ銭湯のような浴槽なのか、大きな浴場なのかはお宿次第。どっちも良いなあ。
懐かしい感じで小ぶりな浴場に、ひたひた溢れる沸かした泉。たぶん筆文字の効能書きがあるだろう。
ビジホと言えば、コミケ御用達な東京ベイサイドさんは、綺麗で一人6000円切るツイン・トリプルがある。
健康ランドに泊まるのも楽しいし安い。イベントではお世話になったりしてる。
お値段が観光ホテル級の鉱泉の場合、壁は厚くて静かに楽しめる。満足度は高い。
と言っても、一泊数千万とかのべらぼうな世界じゃなく、8000~2万円弱台。これが鉱泉の良さとも言う。
このクラスだと、レトロで華麗な館内とかになる。琥珀色の写真のよう。
で、ふと気付く「山小屋さんの鉱泉案内」。なんとなく分かる、山の銭湯ポジション。
家庭的なお宿に泊まって、それに泉を沸かしたお湯と、山菜や茸とかのご飯も付いてくるのと。
あでやかで由緒ある大浴場を堪能して、ご馳走を頂くのも。どっちもゴクリ。
鯉の旨煮がどこかにあるだろう。川海老が揚がってるかもしれない。炉辺に鮎の串焼きが居る予感。
お土産屋さんのお土産は勿論だけど、こう言う所は商店街さんも凄く良い。
入浴のみなら450~900円。飲用なら無料~200円位。こう言う鉱泉の良さは消えないで欲しいな。

写真素材足成:ログハウス ⅱ(びすこってぃ様)
こうした場所だと、コテージやキャンプ場も選択肢。コテージは1棟料金で1泊6人3万円とか。
プラン次第で朝夕が付く良さが売り。バンガローだと1泊4人1万~1万5000円ぐらい。
キャビンは1万~2万5000円。キャンプ場は諸々込みで5000~1万円位。だいたい露天風呂と電源付き。
家族で泊まれる、炊事出来ると考えたらなるほど。バーベキューの良い匂いがしそうです。
これで気付いたけどユースホステルさんが変わって来てるようで、中高年利用者が増えていて。
消灯も無くなりお皿も洗わなくて良くて、3000円位で泊まれるのは変わらないものの。
ホテルさんが激安ツアーやったりしてる上に。ユースホステルは年会費+の事なので。
ユースホステルさんが苦戦してる模様。むう。都会にも有るし安くて綺麗なのにな。
でも。ユースホステルさんは、海外の方の利用が増えてるそう。ゆっくりしていってね。
さらっと出格子の、古い小ぶりなお宿があった。最高です。むしろ貴重。
木製サッシに金文字。がっつり備わる通り庇に瓦。きっと急な階段で木が艶々。
たぶん。板前さんは居ないだろうし、部屋も小ぶりだろう。でもそれが懐かしい。
だいたい一泊二食付一人6000円位。昔のビジホと言うか。お父さん達が出張とかでさくっと泊まる。
建具がシンプルだけど凝っていて良い物だ。エアコンもちゃんとある。超泊まりたい何か。
このお宿は釣堀のご近所。地元の人は、こんな素敵な場所を堪能しまくれるのか。
なお。ガチで明治とか江戸とかな感じのお宿は、文化財に指定されておった。
そりゃそうですよね。こう言う所はお料理も素敵。綺麗でため息が漏れる。
とても小さな旅館さんは、三丁目の夕日風佇まい。昭和初期ぐらいだと似てるかな。
今気付いたけど、釣堀さんは大正末期・昭和初期っぽいのか。うっとりする。
価値は分からない。でも。皆の記憶の中にある。どこかで、見た事がある。そう言う魅力に溢れてる。

写真素材足成:ライトアップされた旅館(いしだひでヲ様)
斜め上方向気味だけど、ラブ……ええと。に泊まって旅行と言う手もあるそうで。
ルームサービスも普通。全部「二人」前提料金。一泊5000~1万円で各種設備充実は安い。
友人同士なら、まあ。実際成人オタク旅行に使うケースも。ときめきがどこかに飛びました。
ビジネスマンの一人利用はアリなので可の所が多い。一人分はつまりビジホ位。
そんなこんなで家族旅行用に使うと、割り増しとかになる模様。
ラブ……ゴニョゴニョは、大人のお宿として見るなら、悪くない。
飲料・煙草じゃない自販機から商品盗まれても。稀に。お巡りさんが、お仕事で来ても。
それでも、華やかな夢の場所。カップルなら全然ありな旅行。
ただし。「だいたい予約出来ません」。そこはだって、その。洋画のロードムービーですか。
でも予約出来る所はいっぱいあって、もはや豪華なテーマパーク兼健やか廉価な宿。
そんなこんなで海外のバックパッカーさんが、ラブ……を見物したいようで。
カオサンワールド浅草さんは、健やか廉価なゲストハウス兼、元ラブなんとか。
なお「
秘宝館のNY版」(※リンク先18禁です)があり、洗練されてお洒落。
ち、ちくしょう。偽洋風・間違った都会風じゃ無いなんて。
おそらくご近所の人々は、あの楽園のような。宝石みたいな釣堀で。
時折訪れ虹鱒を楽しみ、お爺ちゃんお婆ちゃんとお喋りして帰るだろう。
お爺ちゃんお婆ちゃんは、普段通りに虹鱒達を世話し、堀を清潔に保つだろう。
当たり前のようにあり、普通のもののようでいて。でもそれは、質がとても高いもの。
時々鄙びた場所にある、むしろ星とか持ってる大都会シェフがロックオンする。
お爺ちゃんとお婆ちゃんの、お蕎麦屋さんみたいなもんか。
有名になって欲しいような、そっとしておきたいような。地元の人が羨ましい場所だった。

写真素材足成:清流(真夏様)
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